
ライト級王者として無類の強さを誇ってきたイスラム・マカチェフが、ついにタイトル返上を決断し、ウェルター級制覇を目指すことになった。
次なる挑戦相手は、勢いに乗るジャック・デラ・マダレナ。試合日程はまだ決まっていないが、UFC CEOダナ・ホワイトは「11月のマディソン・スクエア・ガーデン大会」が有力だと語っている。
マカチェフの支配力がウェルター級でも通用するのか? それについては賛否両論がある。
■「マカチェフには小さすぎる」──マダレナの主張にビスピンも同意
UFCレジェンドのマイケル・ビスピンは、自身のポッドキャスト「Believe You Me」の中で、このマッチアップに対する懸念を表明した。
きっかけは、ジャック・デラ・マダレナが「マカチェフは自分には小さすぎる」と語ったインタビュー。マカチェフのグラップリングがアレクサンダー・ヴォルカノフスキーに通用しなかったことを指摘し、「ヴォルクがあれだけやれたなら、俺はもっと行ける」と自信を見せていた。
「マダレナの言うことにも一理ある」ビスピンは語る。
「ヴォルクは本当にすごい男だ。でも、実際に会えば分かるけど、体格は大きくない。小柄な男だよ。そのヴォルクがマカチェフにあれだけ苦戦させた。ジャック・デラ・マダレナは“普通の”170ポンドじゃない。でかい部類だ」
と、ビスピンは体格差が勝負を分ける可能性を指摘する。
「マカチェフにとって、170ポンドに上げるのは大きな間違いかもしれない。少し無理をしているようにも見える。でも、挑戦する姿勢はリスペクトに値するよ」
■“GOAT論争”への布石か、それとも…
もしマカチェフがウェルター級でも圧倒的な強さを見せれば、史上最強(GOAT)議論に本格参戦することは間違いない。だが、その前に乗り越えるべき壁はあまりに高く、危険も伴う。
今後の焦点は、マカチェフがどれだけこの階級のトップとやり合えるのか。ジャック・デラ・マダレナ戦が、その試金石となる。