
長年UFCなどでレフェリーを務めるハーブ・ディーン氏によると、MMAにおけるアイポーク(目への突き)に関して、今後より厳格なガイドラインが導入される予定だという。
ディーン氏は最近、ポッドキャスト番組「Believe You Me」に出演し、UFC 321のトム・アスピナル vs. シリル・ガーヌ戦での「アイポークによるノーコンテスト」騒動を受けて行われたルール会議について語った。
■すでにあるルールの厳格な運用を目指す
「これまでにもルール自体は作ってきたんだ」とディーン氏。
「つまり、“指を相手の目の方向に伸ばすのは反則”というルールはすでに存在していた。だが、それをこれまで十分に適用・執行してこなかった。今後は、そこをしっかり運用していくつもりだ。」
彼は、これまで反則による減点は「試合への影響が出た場合にのみ行う」傾向が強かったが、それでは危険な行為を未然に防げないと語る。
「多くの人は、まだ“指を伸ばしただけで減点”という光景には慣れていないと思う。だが、これは非常に危険な反則行為だ。実際に誰かが怪我をする前に、危険な動きを繰り返した時点で減点すべきだと思う。」
ディーン氏はまた、MMAが「1ポイント制」であるため、減点の重みが大きいことも指摘する。
「MMAはほとんどの3ラウンド戦で、スコアが29-28になる。つまり1ポイントを取ると、勝ち試合が引き分けになる可能性が高い。でも、それでも何か手を打たなければならない。だから今後はそうした措置を取ることになる。これは実際に起きる変化だ。」
■「ショーン・ストリックランドが模範」
MMAでは、レフェリーがルールを徹底して適用しないケースが問題視されており、アイポークもその代表例だ。ディーン氏は、今後はレフェリー陣が積極的に対応し、スポーツ全体の安全性を高めたいと語る。
さらに、どのような動作が「反則」と見なされるかをより明確に定義する新ガイドラインも検討中だという。
「例えばアスピナルの件では、彼の指は上向きだった。だからそれは明確な反則だと判断できる。だが、距離を取るときなど、自然に指先が下を向いてしまう場面もある。そういった微妙なケースをどう扱うかも、改めて見直す必要がある。」
そして、ディーン氏は、指を閉じたまま戦う元UFCミドル級王者ショーン・ストリックランドを「理想的な例」として挙げた。
「ストリックランドは“悪童”のイメージがあるけど、俺からすると彼は最高の模範だよ」
「彼はいつも指をしっかり閉じて構え、相手の攻撃をパリング(受け流し)している。彼の試合では、指先を心配する必要がないんだ。」
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